被削性 ( machinability ) とは、切削対象材料の削られ易さを示す。
詳細
一般に、①切削抵抗の大きさ、②工具寿命の長さ、③加工後の寸法精度と表面品位、④切りくず処理の容易さの4項目を基にして被削性が評価される。これらの項目に⑤切削温度の高さが評価基準として加えられる場合もある。切削速度を高くすると仕上げ面粗さは小さくなるが工具寿命が短くなり切りくず処理性が低下する場合など、これらの項目は互いに独立したものではなく、相反する関係となる場合もあるため、加工の目的に応じて最も関連の深い項目を一つないしは複数選び、被削性を評価する。
これらの項目の内、工具寿命の長さはほとんどの切削加工で重要となるため、工具寿命の長短のみで被削性が評価される場合が多いが、工具寿命のみが被削性を決定するものではないことに留意すべきである。
被削性は、切削加工対象物の材料に固有の特性ではなく、工作機械の剛性や加工対象物の形状、寸法、工作機械への取り付け方法等にも左右され、使用工具の材質や形状、切削条件等、様々な要因に影響される。したがって、数種類の素材の被削性を評価する場合においては、加工方法によって被削性の順位が入れ替わることもある。このため、一義的に被削性を定義するのは困難である。[1,2]
関連項目
外部リンク
引用
- 中島利勝,鳴瀧則彦,機械加工学,コロナ社(1983),98-99.
- 精密工学会編,新版精密工作便覧,コロナ社(1992),126.