設計・生産システム

空気静圧軸受

空気静圧軸受 ( aerostatic bearing ) は、圧縮空気を用いて負荷を非接触支持する軸受である。

詳細

動作原理

作動流体として空気を利用した軸受であり、外部機器から流体絞りを通して圧縮空気を軸受面に供給することで気体潤滑膜を形成し、軸受に作用する負荷を非接触で支持する。軸受形状を適切に設計することで直線運動および回転運動の両方に適用が可能である。

特徴

作動流体に空気を用いているため、空気膜の平均化効果による高精度案内が可能、運動時の摩擦が極めて低い、低発塵である、機械的接触がないため長寿命であることが挙げられ、これらの優れた特徴から主に高速回転機械、精密加工機、ならびに精密測定機において採用されている。 同じく空気を作動流体として用いる空気動圧軸受と比較して、相対速度がない状態でも負荷容量が得られる長所を有する一方、圧縮空気を常時供給するための外部機器としてコンプレッサやボンベが必要となる。

設計

軸受面に配置される流体絞りの種類やその設計によって軸受剛性、軸受減衰性、消費流量などの諸特性が大きく左右されるため、目的に応じて適切に選定および設計する必要がある。設計が適切でない場合には空気の圧縮性に起因するニューマティックハンマと呼ばれる不安定自励振動が生じるため、特に注意が必要である。

外部リンク

執 筆 : 吉岡 勇人

PV数 : 1097