超精密加工 ( Ultraprecision Machining ) とは、極めて小さい表面粗さと極めて高い寸法・形状精度を同時に達成する加工である。
詳細
超精密という用語は絶対的ではなく、加工物の寸法や形状、応用分野そして時代によってその意味が変化する。現在、一般にサブミクロンオーダ以下の形状精度とナノメートルオーダの表面粗さを達成する加工が超精密加工と呼ばれている。超精密加工を実現する方法は多岐にわたっているが、固体工具を利用した機械加工法が最も多用されている。例えば、単結晶ダイヤモンドバイトを用いた超精密切削加工や超微粒砥石を用いた超精密研削加工および遊離砥粒を用いた超精密研磨加工などが挙げられる。また、加工法は工具と工作物との干渉形態により運動転写方式と圧力転写方式に分けられる。前者は工具の運動軌跡を制御し、それを工作物に強制的に転写する方式であり、超精密切削や超精密研削がこの方式に属する。後者は工具を一定の圧力で工作物に押し付けながら相対運動させ、加工時間で加工量を制御する方式であり、超精密研磨がこの方式に属する。