寸法効果 ( Scale effect ) とは幾何学的に相似な物体において、作用する力等の特性が寸法変化によってどのように変化するかを示したものである。[1-3]
詳細
スケール効果あるいはスケーリング則とも呼ばれる。幾何学的に相似な物体において、作用する力等の特性が寸法変化によってどのように変化するかを示したもの。例えば物体の体積は寸法の3乗に比例し、表面積はその2乗に比例する(表1参照)。すなわち物体寸法が小さくなると表面力の影響が体積力のそれよりも大きくなる。例えば物体の寸法がマクロ領域からマイクロ領域になると、重力の影響よりも分子間力(ファン・デル・ワールス力)、液体架橋力(表面張力)、静電力(クーロン力)が大きくなることを指す。
なお英訳としてScale factorを用いている例も見受けられるが、本来は拡大率や縮尺率と言った意味で使われることも多く、誤解を招く可能性があるため注意が必要である。
表1 代表的な寸法効果

引用
- 林 輝,実働の微小機械(ミリマシン)解説,精密工学会誌 Vol. 60 No. 3, pp. 331-332, 1994.
- 下山 勲,マイクロロボットのスケール効果,日本ロボット学会誌 Vol.14 No.8, pp.1106-1108, 1996.
- 谷川民生,マイクロ世界とマイクロマシン技術,日本ロボット学会誌 Vol. 19 No. 3, pp. 286-289, 2001.