研磨

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研磨 ( Polishing, Lapping ) は、工作物と工具の間に砥粒や研磨液を介し、お互いを擦り合わせる相対速度と加圧力によって少しずつ材料除去していく加工法である。

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研磨は、古来から使われてきた仕上げ加工法のひとつである。圧力転写加工に属し、精度の仕上がりに関しては母性原理によらないので、オスカータイプレンズ研磨機のように特に高精度を必要としない研磨機が用いられてきた。しかし近年、高機能デバイスなどの研磨要請から、高精度機構部品で構成される高級研磨機も準備されている。 通常は使用する工具の硬軟と砥粒の大小の組み合わせにより、粗面研磨と鏡面研磨が可能である。硬質工具と粗粒により粗面研磨のラッピングが、軟質工具と微粒により鏡面研磨のポリシング(または、ポリッシング)が行われる。また工具に砥粒が固定された砥石、ベルト、フィルムなどを用いる砥石研磨があり、これまで砥粒の大きさによって粗面/鏡面研磨の使い分けを行ってきた。 鏡面研磨の加工メカニズムの解釈・説明はそれほど単純ではない。工作物の材質のほか、化学作用の有無など雰囲気を考慮する必要があり、例えばシリコンウエハ研磨では、研磨面に化学作用で軟質皮膜を形成し、それを機械的に除去していくことで高品質の鏡面仕上げを可能にしている。このほか工作物と研磨工具の接触状態、砥粒の遊離/固定の状態、化学・電解作用の援用研磨などを考慮すると加工のメカニズムは多岐にわたる。 研磨は半導体ウエハやデバイスウエハなど各種電子部品、光学部品、機械構造部品などの生産分野で不可欠な加工技術になっており、加工対象材料も各種の金属、プラスチック、セラミックス、ガラスや結晶材料など広範囲にわたり、最も硬いダイヤモンドから軟らかいゴムや樹脂など高分子材料までカバーできる加工法である。