真空紫外光

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真空紫外光 ( Vacuum Ultra-Violet Light ) とは、一般的に波長10-200 nm範囲の紫外光である.

詳細

呼び名の由来は、この波長範囲の光は大気に吸収されてしまうため真空中でのみ長距離の伝播が可能となることにある。遠紫外線(Far Ultra-Violet Light)と呼ばれることもある。

真空紫外光を大気に照射すると、大気中の酸素分子が解離されて原子状酸素が、また後続反応でオゾンが生成されるなど活性酸素が発生する。また、水へ照射すると水分子が解離されてヒドロキシルラジカルが発生する。

ほとんどの金属材料は、真空紫外光照射を受けると外部光電効果を発生し表面より光電子を放出する。表面近傍では、この光電効果と上述した酸素や水より生成された活性種での作用で光化学反応が起こる。

多くの有機物表面は、真空紫外光照射により酸化および分解されるため、樹脂材料の濡れ性改善や他の物質との密着度向上といった表面改質に用いられることも多い[1]


外部リンク

引用

  1. H. Sugimura, Vacuum Ultra-Violet Processing under Atmospheric Pressure: Surface Modification of Synthetic Resins, The journal of the Surface Finishing Society of Japan 63 (2012) 751 (in Japanese)