特殊切削

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特殊切削 ( nonconventional cutting ) は,特殊な環境下もしくは条件下で行う切削加工法である.

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 特殊切削は切削性能の改善を目的として行われ,熱や振動等の①補助的エネルギを与えながら切削する方法,切削点近傍への気体噴射や固体潤滑材塗布等の②補助物質を使用して切削する方法,あるいは③これらの補助的なものを全く使用せずに行う方法の3つに大別される.

 補助的エネルギを与えて行う方法には,加熱切削,冷却切削,振動切削,通電切削などがある.補助物質としては酸素や塩素などの気体の他,鉛,錫などの軟質金属,二酸化鉛,ゲーレナイト粉末(2CaO-Al2O3-SiO2)などが試みられている.補助的なものを用いない切削加工法としては,超高速切削,二段すくい角を持った工具や回転工具などの特殊形状工具を用いる切削などがある.

 一般にこれらの加工法によって,広い被削材種,切削条件範囲で一様に切削性能が改善されることは稀である.このため,通常の切削加工では削り難い材種や特定の切削性能改善のみを重視する場合において有効な方法とされている.[1][2]

関連項目

外部リンク

引用

  1. 中山一雄,上原邦雄,新版機械加工,朝倉書店(1997),123-134.
  2. 精密工学会編,新版精密工作便覧,コロナ社(1992),226-242.