磁気研磨

提供: Precipedia
移動: 案内検索

磁気研磨 ( Magnetic Abrasive Finishing ) は、磁気力を加工力として利用する精密加工法である。 磁場に感応する磁性砥粒(例えば、鉄粉などの磁性粒子と研磨材),あるいは磁性工具と研磨材を用い,磁場から受けた磁気力を研磨工具の加工力として利用する研磨法である。

詳細

図1 磁気研磨法の加工原理

図1に磁気研磨法の加工原理を示す.非磁性工作物の表面上の磁性砥粒(磁性粒子+研磨材)は、工作物下面側に設置した永久磁石によって磁気力を受け、工作物表面を押し付ける.この磁気力が加工力となる.次に、永久磁石を右側に移動すると、磁性砥粒は永久磁石の移動に追従して運動し、工作物表面を精密研磨する. 磁気研磨法は,磁力線の物体透過現象を利用して,磁性砥粒の加工力と運動力を遠隔制御できる特長がある.このことから、磁気研磨法は細長い円管内面などの見えない箇所、通常の工具が届かない狭い箇所の精密研磨を実現させる. 応用分野には,パイプ内面の精密仕上げ,微細な凹凸面をもつ平面・曲面の精密仕上げなどがある.微細なバリ取り・エッジ仕上げにも適用できる.最近では,SUS304ステンレス鋼円管内面を3nmRaの超精密表面に創成できるなど,ナノレベルの超精密磁気研磨法の応用・実用化も可能になっている.

関連項目

外部リンク