精密工学

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精密工学 ( Precision Engineering ) は、精密で精度の高いモノの設計、加工、計測、作製などに関する技術・方法論を論じる学問であり、機械、電気、電子、光学、情報などの分野を広く横断的に扱う工学である。

目次

詳細

精密(precision)[1][2][3]

「精密」とは、「精度が高いこと」、あるいは「ばらつきが小さいこと」を形容する言葉で、専門用語としては、ものつくりにおいて正確かつ高精度を実現する方法論、およびそれを備えた機械などの形容に用いられる。

精度(precision)と確度(accuracy)[4]

精度(precision)とは、その複数回の測定値や計算結果の間での互いのばらつきの小ささの尺度である。再現性、精密度とも呼ばれる。 確度(accuracy)とは、その値が「真値」に近いことを示す尺度で、システム誤差の小ささをいう。正確度とも呼ぶ。

精密機械(precision machinery)[5][6][7][8]

それを構成する要素・構造が、特に小さな公差(許容値)を持って(すなわち特に高精度に)作製されることによって、高い性能を発揮する機械である。

精密工学の対象領域[9][10]

精密機械に限定することなく、設計生産、精密加工、精密計測、メカトロニクス、人・環境など、「ものづくり」に関わる広い分野を対象とする。具体的には、設計工学、機械加工、MEMS/NEMS,ナノテクノロジー、計測工学、ロボット工学、医用工学など、広範囲な工学分野に関わっている。

精密工学の目指す目標[11][12]

1.高精度な動きを創出すること 2.製品や部品のばらつきを減らすこと 3.製造コスト、ランニングコストを減らすこと 4.信頼性(製品寿命)を高めること 5.安全係数を低く設定できるようにすること 6.要素の互換性を高めること 7.機械精度の向上により品質管理を高め歩留りを高めること 8.部品の摩耗・疲労寿命を増加すること

外部リンク

引用

  1. 青木 保,精密機械設計學,丸善株式会社,1940, p.101.
  2. 津和 秀夫 他,精密工学序説,コロナ社,1978,p.21,ISBN:978-4339041453.
  3. 中沢 弘,精密工学,東京電機大学出版局,2011,p.14,ISBN:978-4501418700.
  4. 中沢 弘,精密工学,東京電機大学出版局,2011,pp.14-16,ISBN:978-4501418700.
  5. 大河内 正敏,創刊の辞,精密機械,Ⅰ,1 (1919) 1.
  6. 青木 保,精密機械設計學,丸善株式会社,1940, pp.101-102.
  7. 津和 秀夫 他,精密工学序説,コロナ社,1978,p.1,ISBN:978-4339041453.
  8. 中沢 弘,精密工学,東京電機大学出版局,2011,pp.18-21,ISBN:978-4501418700.
  9. 津和 秀夫 他,精密工学序説,コロナ社,1978,pp.4-6,ISBN:978-4339041453.
  10. 中沢 弘,精密工学,東京電機大学出版局,2011,pp.21-23,ISBN:978-4501418700.
  11. 津和 秀夫 他,精密工学序説,コロナ社,1978,pp.20-22,ISBN:978-4339041453.
  12. 中沢 弘,精密工学,東京電機大学出版局,2011,pp.16-18,ISBN:978-4501418700.