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'''オートコリメータ'''(Autocollimator)とは,光の直進性を利用し,測定対象物の微小角度変位を測定する光学機器である.
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オートコリメータは,光学機械工場において光学部品や機械部品の平行度,直角度などを測定する必要性から考え出されたものであると類推されている<ref name="ref1">吉田庄一郎,オートコリメータとその応用,精密機械,44-521 (1978) 545-549.</ref>.図1に示すように,望遠鏡の対物レンズの共役な2つの焦点位置に十字線などのターゲットG1,G2を配置し,片方のターゲットG1を半透過プリズム,焦点距離fの対物レンズ,反射鏡を経てもう一方のターゲットG2上に結像する.反射鏡が微小角度θだけ傾斜すると,ターゲットG1は光軸中心に対し2fθだけずれた位置にターゲットの像を結ぶ.すなわち,反射鏡の微小角度変化を,対物レンズ焦点面上の変位量に置き換えて読み取ることができる<ref name="ref1">吉田庄一郎,オートコリメータとその応用,精密機械,44-521 (1978) 545-549.</ref>.一般には,ターゲット読み取りに光電素子を用いた光電式オートコリメータが用いられることが多い.光電素子として2次元CCDを用いた場合には,反射鏡の2軸方向の微小角度変位を一括して測定できる.また,従来は光源としてハロゲンランプが用いられていたが,近年はLEDが普及してきている.数10角度秒~2000角度秒超の広範囲にわたり,±0.01角度秒~サブ角度秒程度の分解能を実現しているものが多い<ref name="ref2">Möller-Wedel Optical International ホームページ (https://www.haag-streit.com/moeller-wedel-optical/products/electronic-autocollimators/elcomat-product-line/elcomat-3000/)</ref><ref name="ref3">株式会社ニコンインステック ホームページ (http://www.nikon-instruments.jp/jpn/industrial-products/measuring-instrument/autocollimator)</ref>.
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また,近年では光源に半導体レーザ(LD)を用いたレーザ角度センサ<ref name="ref4">A. E. Ennos, M. S. Virdee, High accuracy profile measurement of quasi-conical mirror surfaces by laser autocollimation, Precision Engineering, 4-1 (1982) 5-8.</ref>も登場している.特に,光源に半導体レーザを採用し,かつ受光素子に分割型フォトダイオードを用いた角度センサ<ref name="ref5">高偉,齋藤悠佑,佐藤隼人, 清野慧, 清水浩貴, 広瀬純, 高感度2軸マイクロ角度センサの開発, 精密工学会誌 72-9 (2006) 1174-1178.</ref>は,従来の光電式オートコリメータに比べてコンパクトな形態で高スループット測定が可能であるとともに,光学系の構成によっては0.001角度秒超の高分解能測定が実現できる<ref name="ref6">Y. Shimizu, S. L. Tan, D. Murata, T. Maruyama, S. Ito, Y. L. Chen, W. Gao, Ultra-sensitive angle sensor based on laser autocollimation for measurement of stage tilt motions, Optics Express, 24-3 (2016) 2788-2805.</ref>.
  
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上の説明だけでは足りない場合や、細かな分類を挙げてそれぞれの特徴を論じる場合には適切なタイトルをつけて記述を追加ください。
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===図表の追加===
 
また、写真や図面を利用する場合は、適切なサイズを用いたサムネールを設定し、枠を画面の右側に配置することをお勧めします
 
<ref>本テンプレートにもありますが、セクションの冒頭にリンクを作成することで文章がうまく図表の左側に回りこみます</ref>。
 
  
==関連項目==
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==応用==
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従来は,主に平面の平行度測定,直角度測定,案内面の真直度測定などに用いられてきた.近年では,大型精密加工面のプロファイル測定<ref name="ref7">W. Gao, P. S. Huang, T. Yamada, S. Kiyono, A compact and sensitive two-dimensional angle probe for flatness measurement of large silicon wafers, Precision Engineering, 26-4 (2002) 396-404.</ref><ref name="ref8">近藤余範, 産総研計量標準報告, 8-3 (2011) 299-310. </ref>や,マルチビーム角度センサによる円筒の真円度測定<ref name="ref9">M. Chen, S. Takahashi, K. Takamasu, Development of high-precision micro-roundness measuring machine using a high-sensitivity and compact multi-beam angle sensor. Precision Engineering 42 (2015) 276–282.</ref>,精密位置決めシステム<ref name="ref10">W. Gao, S. W. Kim, H. Bosse, H. Haitjema, Y. L. Chen, X. D. Lu, W. Knapp, A. Weckenmann, W. T. Estler, H. Kunzmann, Measurement technologies for precision positioning. CIRP Annals: Manufacturing Technology 64-2 (2015) 773-796.</ref>などにも採用されるなど,その適用範囲を拡げつつある.また,反射鏡に代えて反射型1軸回折格子を用い,0次反射回折光と1次反射回折光を利用して3軸微小角度変位を一括評価する,3軸オートコリメータ<ref name="ref11">W. Gao, Y. Saito, H. Muto, Y. Arai and Y. Shimizu, A three-axis autocollimator for detection of angular error motions of a precision stage, CIRP Annals - Manufacturing Technology, 60-1 (2011) 515-518.</ref>も開発されており,精密ステージの微小角度変位計測等に応用されている.さらには,高分解能測定と広範囲測定の両立を目指し,光源にモード同期フェムト秒レーザを適用したレーザ角度センサ<ref name="ref12">Y. Shimizu, Y. Kudo, Y.L. Chen, S. Ito, W. Gao, An optical lever by using a mode-locked laser for angle measurement, Precision Engineering, 47 (2017) 72-80..</ref><ref name="ref13">Y. L. Chen, Y. Shimizu, Y. Kudo, S. Ito, W. Gao, Mode-locked laser autocollimator with an expanded measurement range, Optics EXPRESS, 24-14 (2016) 15554-15569.</ref>が提案されるなど(図2<ref name="ref13">Y. L. Chen, Y. Shimizu, Y. Kudo, S. Ito, W. Gao, Mode-locked laser autocollimator with an expanded measurement range, Optics EXPRESS, 24-14 (2016) 15554-15569.</ref>),その技術革新が進んでいる.
  
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[[画像:auto_colli_fig2.png|thumb|left|600px|図2 モード同期フェムト秒レーザを用いた光学式角度センサ]]<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>
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==外部リンク==
 
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*[http://www.hogehoge.ac.jp/mech/hogehoge ほげほげ大学工学部機械工学科ほげほげ研究室]<ref>架空のリンクです</ref>
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*[http://www.hogehoge.co.jp/hogehoge ほげほげ株式会社ほげほげ事業部]
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==引用==
 
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2019年3月4日 (月) 18:23時点における版

オートコリメータ(Autocollimator)とは,光の直進性を利用し,測定対象物の微小角度変位を測定する光学機器である.

目次

詳細

オートコリメータは,光学機械工場において光学部品や機械部品の平行度,直角度などを測定する必要性から考え出されたものであると類推されている[1].図1に示すように,望遠鏡の対物レンズの共役な2つの焦点位置に十字線などのターゲットG1,G2を配置し,片方のターゲットG1を半透過プリズム,焦点距離fの対物レンズ,反射鏡を経てもう一方のターゲットG2上に結像する.反射鏡が微小角度θだけ傾斜すると,ターゲットG1は光軸中心に対し2fθだけずれた位置にターゲットの像を結ぶ.すなわち,反射鏡の微小角度変化を,対物レンズ焦点面上の変位量に置き換えて読み取ることができる[1].一般には,ターゲット読み取りに光電素子を用いた光電式オートコリメータが用いられることが多い.光電素子として2次元CCDを用いた場合には,反射鏡の2軸方向の微小角度変位を一括して測定できる.また,従来は光源としてハロゲンランプが用いられていたが,近年はLEDが普及してきている.数10角度秒~2000角度秒超の広範囲にわたり,±0.01角度秒~サブ角度秒程度の分解能を実現しているものが多い[2][3]. また,近年では光源に半導体レーザ(LD)を用いたレーザ角度センサ[4]も登場している.特に,光源に半導体レーザを採用し,かつ受光素子に分割型フォトダイオードを用いた角度センサ[5]は,従来の光電式オートコリメータに比べてコンパクトな形態で高スループット測定が可能であるとともに,光学系の構成によっては0.001角度秒超の高分解能測定が実現できる[6].

図1 オートコリメータの原理図



















応用

従来は,主に平面の平行度測定,直角度測定,案内面の真直度測定などに用いられてきた.近年では,大型精密加工面のプロファイル測定[7][8]や,マルチビーム角度センサによる円筒の真円度測定[9],精密位置決めシステム[10]などにも採用されるなど,その適用範囲を拡げつつある.また,反射鏡に代えて反射型1軸回折格子を用い,0次反射回折光と1次反射回折光を利用して3軸微小角度変位を一括評価する,3軸オートコリメータ[11]も開発されており,精密ステージの微小角度変位計測等に応用されている.さらには,高分解能測定と広範囲測定の両立を目指し,光源にモード同期フェムト秒レーザを適用したレーザ角度センサ[12][13]が提案されるなど(図2[13]),その技術革新が進んでいる.

図2 モード同期フェムト秒レーザを用いた光学式角度センサ





















外部リンク

引用

  1. 1.0 1.1 吉田庄一郎,オートコリメータとその応用,精密機械,44-521 (1978) 545-549.
  2. Möller-Wedel Optical International ホームページ (https://www.haag-streit.com/moeller-wedel-optical/products/electronic-autocollimators/elcomat-product-line/elcomat-3000/)
  3. 株式会社ニコンインステック ホームページ (http://www.nikon-instruments.jp/jpn/industrial-products/measuring-instrument/autocollimator)
  4. A. E. Ennos, M. S. Virdee, High accuracy profile measurement of quasi-conical mirror surfaces by laser autocollimation, Precision Engineering, 4-1 (1982) 5-8.
  5. 高偉,齋藤悠佑,佐藤隼人, 清野慧, 清水浩貴, 広瀬純, 高感度2軸マイクロ角度センサの開発, 精密工学会誌 72-9 (2006) 1174-1178.
  6. Y. Shimizu, S. L. Tan, D. Murata, T. Maruyama, S. Ito, Y. L. Chen, W. Gao, Ultra-sensitive angle sensor based on laser autocollimation for measurement of stage tilt motions, Optics Express, 24-3 (2016) 2788-2805.
  7. W. Gao, P. S. Huang, T. Yamada, S. Kiyono, A compact and sensitive two-dimensional angle probe for flatness measurement of large silicon wafers, Precision Engineering, 26-4 (2002) 396-404.
  8. 近藤余範, 産総研計量標準報告, 8-3 (2011) 299-310.
  9. M. Chen, S. Takahashi, K. Takamasu, Development of high-precision micro-roundness measuring machine using a high-sensitivity and compact multi-beam angle sensor. Precision Engineering 42 (2015) 276–282.
  10. W. Gao, S. W. Kim, H. Bosse, H. Haitjema, Y. L. Chen, X. D. Lu, W. Knapp, A. Weckenmann, W. T. Estler, H. Kunzmann, Measurement technologies for precision positioning. CIRP Annals: Manufacturing Technology 64-2 (2015) 773-796.
  11. W. Gao, Y. Saito, H. Muto, Y. Arai and Y. Shimizu, A three-axis autocollimator for detection of angular error motions of a precision stage, CIRP Annals - Manufacturing Technology, 60-1 (2011) 515-518.
  12. Y. Shimizu, Y. Kudo, Y.L. Chen, S. Ito, W. Gao, An optical lever by using a mode-locked laser for angle measurement, Precision Engineering, 47 (2017) 72-80..
  13. 13.0 13.1 Y. L. Chen, Y. Shimizu, Y. Kudo, S. Ito, W. Gao, Mode-locked laser autocollimator with an expanded measurement range, Optics EXPRESS, 24-14 (2016) 15554-15569.


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