「フェムト秒レーザ」の版間の差分
提供: Precipedia
JSPEreviewer (トーク | 投稿記録) |
JSPEreviewer (トーク | 投稿記録) |
||
1行: | 1行: | ||
− | + | <b>フェムト秒レーザ</b> ( femtosecond laser ) とは,パルス幅が10-15秒オーダの超短パルスレーザである.計測や微細加工分野への応用が報告されている. | |
− | + | ||
− | + | ==詳細== | |
+ | |||
+ | [[画像:Femtofig.1.jpg|300px|thumb|right|図1]] | ||
+ | |||
+ | ;フェムト秒レーザ | ||
+ | :パルス幅10-15秒オーダの超短パルスレーザである.Ti/Sapphireレーザや,Er,Ybドープファイバレーザがあり,計測や微細加工分野への応用が報告されている. | ||
+ | |||
+ | |||
+ | ;フェムト秒パルス | ||
+ | :共振器内のモード同期により生成される.これは,図1に示すように,位相関係が固定された複数のモードを共振器内で同期させることによって,超短パルスが生成される.Ti/Sapphireレーザにおいては,チャープパルス増幅を用いて低エネルギーのフェムト秒レーザパルスを増幅する.具体的には,低エネルギーのフェムト秒レーザパルスのパルス幅を伸長し,それを増幅した後,パルス圧縮器を用いて再びフェムト秒パルスを生成する. | ||
+ | |||
+ | |||
+ | ;フェムト秒レーザパルス | ||
+ | :パルスエネルギーが小さくとも,時間的に光子密度が高い.電子-光子緩和時間(~10-12sオーダ)より短いパルス幅を有しており,熱拡散の小さなアブレーション加工への応用が報告されている[1].更に,集光することによって時間的・空間的に高密度化されたパルスは,非線形光学効果を誘起し,透明材料内部への加工[2]や,3次元光造形への応用も報告されている[3, 4]. | ||
+ | |||
+ | |||
+ | |||
+ | ==引用== | ||
+ | |||
[1] B. N. Chichkov, et al., Appl. Phys., A63 (1996) 109. | [1] B. N. Chichkov, et al., Appl. Phys., A63 (1996) 109. | ||
[2] K. Hirao, Ceram. Jpn., 30 (1995) 689. | [2] K. Hirao, Ceram. Jpn., 30 (1995) 689. | ||
[3] S. Maruo, et al., Opt. Lett., 22 (1997) 132. | [3] S. Maruo, et al., Opt. Lett., 22 (1997) 132. | ||
[4] S. Kawata, et al., Nature, 412 (2001) 697. | [4] S. Kawata, et al., Nature, 412 (2001) 697. | ||
+ | |||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | |||
+ | [[Category:総目次]] |
2016年3月23日 (水) 19:14時点における版
フェムト秒レーザ ( femtosecond laser ) とは,パルス幅が10-15秒オーダの超短パルスレーザである.計測や微細加工分野への応用が報告されている.
詳細
- フェムト秒レーザ
- パルス幅10-15秒オーダの超短パルスレーザである.Ti/Sapphireレーザや,Er,Ybドープファイバレーザがあり,計測や微細加工分野への応用が報告されている.
- フェムト秒パルス
- 共振器内のモード同期により生成される.これは,図1に示すように,位相関係が固定された複数のモードを共振器内で同期させることによって,超短パルスが生成される.Ti/Sapphireレーザにおいては,チャープパルス増幅を用いて低エネルギーのフェムト秒レーザパルスを増幅する.具体的には,低エネルギーのフェムト秒レーザパルスのパルス幅を伸長し,それを増幅した後,パルス圧縮器を用いて再びフェムト秒パルスを生成する.
- フェムト秒レーザパルス
- パルスエネルギーが小さくとも,時間的に光子密度が高い.電子-光子緩和時間(~10-12sオーダ)より短いパルス幅を有しており,熱拡散の小さなアブレーション加工への応用が報告されている[1].更に,集光することによって時間的・空間的に高密度化されたパルスは,非線形光学効果を誘起し,透明材料内部への加工[2]や,3次元光造形への応用も報告されている[3, 4].
引用
[1] B. N. Chichkov, et al., Appl. Phys., A63 (1996) 109. [2] K. Hirao, Ceram. Jpn., 30 (1995) 689. [3] S. Maruo, et al., Opt. Lett., 22 (1997) 132. [4] S. Kawata, et al., Nature, 412 (2001) 697.