「光コム計測」の版間の差分
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2015年3月3日 (火) 11:40時点における最新版
光コム計測(optical comb based metrology)は、光コムレーザー光源を用いた計測技術である。
詳細
光コムはパルスレーザーの一種である。時間領域で見ると、光コム光源はパルス列を発している。パルス列は等時間間隔(反復期間)にある個々のパルスで構成される。パルスはエンベロープを持つ。エンベロープの中ではパルスが(角度)キャリヤー周波数で伝搬する。パルスの反復期間で繰り返される度に、 キャリヤー周波数の位相がエンベロープ位相に一定値だけずれる。従来にあるパルスレーザーと比べて、光コムの反復期間と位相ずれが安定している。周波数領域で見ると、光コム光源が等間隔(繰返し周波数)に並べられた複数の周波数成分を持つ。また、光周波数コム全体がオフセット周波数だけゼロ周波数からずれしている。従来にあるパルスレーザーと比べて、光コムのオフセット周波数と繰返し周波数がより安定している。[1] [2]
光コム計測は二つの方式で行われる。一つは、光コム光源を用いて、ある信号を光コムの時間パラメータまたは周波数パラメータと比較し、差信号を検出することで、計測したい信号を得る方式である。言い換えると、比較対象(光コム)が安定した既知の値を持つ。計測対象と比較対象との差もわかれば、計測したい値が分かる。もう一つは、計測対象の影響により光コムのパラメータに変化を与え、そのパラメータの変化量を計測し、計測対象の状態(またはその変化)を推定できる方式である。例えば、パルス光が空気中を伝搬すると、空気の屈折率の影響を受けて、パルスのエンベロープと位相ずれが変化する。その変化量を計測・評価することによって、空気の状態(またはその状態変化)を知ることできる。
外部リンク
引用
- ↑ J. Ye and S. T. Cundiff, Femtosecond optical frequency comb : principle, operation, and applications, Springer, New York, NY (2005).
- ↑ F. Helbing, G. Steinmeyer and U. Keller, "Carrier-envelope offset phase-locking with attosecond timing jitter," IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics 9(4), 1030-1040 (2003)