「X線CTによる形状計測」の版間の差分
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2017年7月7日 (金) 15:03時点における最新版
X線CTによる形状計測 (Dimensional measurements using X-ray Computed Tomography) とは,X線によるコンピュータ断層撮影によって得られた測定対象の三次元ボクセルデータから,物体の寸法や形状を計測する手法である.
詳細
機械部品の寸法や形状は元来,ノギスやマイクロメータ,ハイトゲージやダイヤルゲージなどのスモールツールや,投影機を使用して測定されてきた.座標測定機(Coordinate Measuring Machine, CMM)が普及した二十世紀後半以降では,部品表面の注目している領域(Region of Interest, ROI)で三次元座標値を取得し,数値計算によって寸法・形状を計測することが増えている.X線CTでも断層撮影によって得られた ROI の三次元ボクセルデータに対して,適当な閾値を設定し求められた部品表面に相当する境界面の三次元座標値(点群データやポリゴンメッシュデータ)から,同様の計算により部品の寸法・形状計測が行える.
X線CTによる形状計測では,1 回の断層撮影で得られた三次元ボクセルデータから,ROI中の任意の位置で複数の測定要素を同時に評価可能であり,CMMによる測定の場合では接触子の届かない内部構造も測定可能とする利点がある.
X線CTによる形状計測では,物体表面の座標値を断層撮影による物体のX線投影像から間接的に取得するという原理から,測定結果が偽画像[1]の影響を受けやすい.そのため小さい不確かさで測定を行うためには,測定時に測定物の設置姿勢を変更する,プレフィルタを適用する,などの工夫をする必要がある.また境界面抽出のアルゴリズムや決定時に設定する閾値によっても,決定される境界面の位置が変化することから,安定に寸法・形状測定値を得るためには,事前に境界面決定の方法について定めておく必要がある.
関連項目
引用
- ↑ JIS B 7442:2013 産業用X 線CT 装置–用語, 2013.