「磁気援用加工」の版間の差分

2017年5月2日 (火) 17:45時点における最新版

磁気援用加工 ( Magnetic Field Assisted Machining ) は、「磁場の作用」を「精密加工技術」に取り込んだ特殊精密加工技術である。磁気援用加工法は磁気研磨法よりも広い概念をもっており、多くの加工方法と加工対象を含んでいる。とくに、磁力線が非磁性体を透過する現象を利用して，細長いパイプ内面などの目に見えない狭い箇所や、工具が届き難い箇所の精密加工を実現できる。

詳細

磁気援用加工法は，下記のように分類できる。

１．パイプ内面の精密加工：精密内面加工では，磁石工具を用いた厚肉パイプの高能率内面加工法，内面磁気バリ取り法（溶接ビードの除去，ドリル加工穴エッジのバリ除去など），磁性砥粒を用いた薄肉パイプ内面の精密仕上げ，機能性流体を用いたナノレベルの超精密内面仕上げ法がある。

２．平面・曲面の精密加工：磁場の中におかれた磁性砥粒は磁力線に沿って数珠繋ぎ状に連結して粒子ブラシを形成する。この粒子ブラシを工具として、平面や曲面の精密仕上げ、部品の角の丸み付け加工を行うことができる。微細なバリ取り･精密エッジ仕上げにも適用できる。

３．磁気バレル加工：回転磁界や変動磁界を利用して磁性メディアを三次元的に激しく動かすことにより、複雑形状部品を精密研磨することができる。

関連項目

• 磁気研磨

外部リンク

• 宇都宮大学工学部特殊精密加工研究室