「三点法」の版間の差分
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− | === | + | ===真円度測定における三点法”<ref name="ref1">青木ら,3点法真円度測定法の一展開”, 精密機械32, pp. 831-836, 1966.</ref><ref name="ref2">清野,”超精密測定-ソフトウェアデータムを中心に”, 2007.</ref>=== |
真円度測定において、3つの変位計を測定対象物に対して放射状に配置して得られる3つの変位出力をもとに、回転軸ぶれとなる並進運動誤差成分と真円度形状成分を分離することで、運動誤差に影響されることの無い高精度な真円度評価の実現を目指す方法である。 | 真円度測定において、3つの変位計を測定対象物に対して放射状に配置して得られる3つの変位出力をもとに、回転軸ぶれとなる並進運動誤差成分と真円度形状成分を分離することで、運動誤差に影響されることの無い高精度な真円度評価の実現を目指す方法である。 | ||
− | 変位計配置の角度間隔により、検出不能、もしくは、精度劣化する形状の空間周波数成分が現れる<ref name=" | + | 変位計配置の角度間隔により、検出不能、もしくは、精度劣化する形状の空間周波数成分が現れる<ref name="ref3">高ら,”ソフトウェアデータムによる真円度測定に関する研究-混合法と3点法のシミュレーションによる比較”,精密工学会誌60, pp.106-110, 1994.</ref>ことに留意する必要があるが、変位計の代わりに角度計を用いることで、このような問題を軽減もしくは除去する方法<ref name="ref3"></ref><ref>W.Gao, et al, “A new multi-probe method of roundness measurements”, Prec. Eng. 19,pp. 34-45, 1996.</ref>が提案されている。 |
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真直度測定、もしくは、断面形状測定において、評価方向に並べた3つの変位計出力をもとに、運動誤差成分と形状成分を分離することで、運動誤差に影響されることの無い高精度な真直度、もしくは、形状曲線評価の実現を目指す方法である。 | 真直度測定、もしくは、断面形状測定において、評価方向に並べた3つの変位計出力をもとに、運動誤差成分と形状成分を分離することで、運動誤差に影響されることの無い高精度な真直度、もしくは、形状曲線評価の実現を目指す方法である。 | ||
− | 真円度測定における三点法の拡張したものと考えることもできるが、測定対象物の形状を周期関数で表すことができないことが、形状導出時の問題となる。また、真円度測定では問題とならない、ゼロ点ずれと呼ばれる複数の変位計間の原点ずれが形状誤差の原因となる。前者に対しては、窓関数をかけることや形状曲線の補間をすることで、後者に対しては、反転測定を組み合わせること<ref> | + | 真円度測定における三点法の拡張したものと考えることもできるが、測定対象物の形状を周期関数で表すことができないことが、形状導出時の問題となる。また、真円度測定では問題とならない、ゼロ点ずれと呼ばれる複数の変位計間の原点ずれが形状誤差の原因となる。前者に対しては、窓関数をかけることや形状曲線の補間をすることで、後者に対しては、反転測定を組み合わせること<ref>W.Gao, et al, “Precision measurement of cylinder straightness using a scanning multi-probe system”, Prec. Eng. 26, pp.279-288, 2002.</ref>や、測定系に角度計を加えること<ref>5.C.Elster, et al, “Coupled distance sensor systems for high-accuracy topography measurement: Accounting for scanning stage and systematic sensor errors”, Prec. Eng. 30, pp. 32-38, 2006.</ref>で、軽減もしくは除去する方法が提案されている。3つの変位計の代わりに2つの角度計を用いる方法<ref>清野ら, “差動レーザオートコリメーションに関する研究(第2報)-2本のレーザビームによる差動測定プローブ”, 精密工学会誌57, pp.652-657, 1991.</ref>や、変位計と角度計を組み合わせる方法<ref>清野ら, “鏡面形状のオン・マシン形状測定に関する研究-測定原理およびセンサの基本性能”, 精密工学会誌58, pp.247-252, 1992.</ref>も提案されている。 |
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2015年3月11日 (水) 11:21時点における版
三点法(three point method)とは、真円度測定および真直度測定などにおける運動誤差の影響を、3つの変位計出力を用いて取り除くことで、高精度な評価の実現を目指す方法であり 、複数の変位計を一体化して走査し形状を求める多点法の一つの実現形態である。
目次 |
詳細
真円度測定における三点法”[1][2]
真円度測定において、3つの変位計を測定対象物に対して放射状に配置して得られる3つの変位出力をもとに、回転軸ぶれとなる並進運動誤差成分と真円度形状成分を分離することで、運動誤差に影響されることの無い高精度な真円度評価の実現を目指す方法である。 変位計配置の角度間隔により、検出不能、もしくは、精度劣化する形状の空間周波数成分が現れる[3]ことに留意する必要があるが、変位計の代わりに角度計を用いることで、このような問題を軽減もしくは除去する方法[3][4]が提案されている。
真直度測定(形状測定)における三点法[2]
真直度測定、もしくは、断面形状測定において、評価方向に並べた3つの変位計出力をもとに、運動誤差成分と形状成分を分離することで、運動誤差に影響されることの無い高精度な真直度、もしくは、形状曲線評価の実現を目指す方法である。 真円度測定における三点法の拡張したものと考えることもできるが、測定対象物の形状を周期関数で表すことができないことが、形状導出時の問題となる。また、真円度測定では問題とならない、ゼロ点ずれと呼ばれる複数の変位計間の原点ずれが形状誤差の原因となる。前者に対しては、窓関数をかけることや形状曲線の補間をすることで、後者に対しては、反転測定を組み合わせること[5]や、測定系に角度計を加えること[6]で、軽減もしくは除去する方法が提案されている。3つの変位計の代わりに2つの角度計を用いる方法[7]や、変位計と角度計を組み合わせる方法[8]も提案されている。
引用
- ↑ 青木ら,3点法真円度測定法の一展開”, 精密機械32, pp. 831-836, 1966.
- ↑ 2.0 2.1 清野,”超精密測定-ソフトウェアデータムを中心に”, 2007.
- ↑ 3.0 3.1 高ら,”ソフトウェアデータムによる真円度測定に関する研究-混合法と3点法のシミュレーションによる比較”,精密工学会誌60, pp.106-110, 1994.
- ↑ W.Gao, et al, “A new multi-probe method of roundness measurements”, Prec. Eng. 19,pp. 34-45, 1996.
- ↑ W.Gao, et al, “Precision measurement of cylinder straightness using a scanning multi-probe system”, Prec. Eng. 26, pp.279-288, 2002.
- ↑ 5.C.Elster, et al, “Coupled distance sensor systems for high-accuracy topography measurement: Accounting for scanning stage and systematic sensor errors”, Prec. Eng. 30, pp. 32-38, 2006.
- ↑ 清野ら, “差動レーザオートコリメーションに関する研究(第2報)-2本のレーザビームによる差動測定プローブ”, 精密工学会誌57, pp.652-657, 1991.
- ↑ 清野ら, “鏡面形状のオン・マシン形状測定に関する研究-測定原理およびセンサの基本性能”, 精密工学会誌58, pp.247-252, 1992.